大古です。連休でヒマになったので、新宿の某家電量販店に行って、インクを買ってきました。
一つ800円で、二つ買うと税込み1680円になりました。高いですね。うまい棒が80本も買えます。


 インクが高いのは、メーカー各社が、プリンター本体の価格を低めに抑えて売上数量を確保し、自社の純正インクを割高で売って利益を出すという、携帯電話各社と似たようなビジネスモデルを採っているからだそうです。しかし最近は、このモデルを揺るがすような事件が起こっていますな。テレビや新聞等でもけっこう話題になってますが、回収再利用インクの問題です。


 量販店には回収ボックスがあり、使用済みの空インクカートリッジを集めています。しかし、メーカーと全く関係ない会社が、それらにインクを詰め替え割安で売っています。インクカートリッジにはインクを漏らさない、品質を均一にする、といったメーカーの技術が詰まっているため、無断で再使用することは特許権の侵害にあたる、というような論争です。実際にメーカー上位のE社とC社が訴訟を起こし、勝ち負けは分かれているようです。

 
 もし問題の争点が、ごみを減らすとかリサイクルするとか言った、比較的単純な環境問題のみに帰することができるなら、誰もが「回収+再利用で、安くなるんならオッケー」で納得するでしょうが、これに最近かなり取りざたされている、知財保護の問題が絡んでいるから複雑になっているようです。
 市場の自由を尊重するのか、開発者の利益を守るのか。ここまで単純化できる問題でもないかも知れませんが、この辺りはゼミで討論する話題として、けっこう面白いのではないかと思います。


 まあ、私は超コンサバなんで、個人的には高くてもメーカー純正品のインクを買いますが。